キッチンカー収支シミュレーター
平日ランチとイベント出店の組み合わせから、月間収支・損益分岐・目標月収に必要な日販を自動計算。移動販売の開業検討に。
※ 表示される利益は、ご自身の働き分(人件費)と税金・社会保険料を差し引く前の事業利益の概算です。入力した日販や経費は、ページを閉じれば消える一時的な計算材料で、サーバーへの送信は行っていません。
使い方
- 1 平日営業とイベント営業のそれぞれについて、1日の売上(日販)と月の出店日数を入力します。片方だけの営業スタイルなら、使わない側の日数を0にしてください。
- 2 出店料は、平日は「1日いくら」の固定制、イベントは「売上の◯%」の歩合制で入力します(実際の契約形態に合わせて調整してください)。
- 3 食材の原価率・包材費率と、車両ローンなどの毎月の固定費を設定して「収支を計算する」を押します。
- 4 月間利益・損益分岐の月商・目標達成に必要な日販が表示されます。「収支計画をコピー」で事業計画のメモにそのまま貼れます。
キッチンカーの収支は「平日×イベント」の二本柱で考える
キッチンカーの売上は「日販 × 出店日数」というシンプルな掛け算ですが、実務では性質の違う2種類の営業を組み合わせるのが定石です。平日のオフィス街ランチは日販こそ控えめでも需要が安定していて読みやすく、週末のイベント・マルシェ出店は日販が平日の2〜3倍に化ける代わりに、出店枠の抽選や天候というギャンブル要素を抱えます。
このツールが営業ミックスを分けて入力する設計になっているのはそのためです。イベント頼みの計画は雨の週末が2回続くだけで崩れます。「平日だけで固定費を賄えて、イベントの利益は上乗せ」という構成に近づけるほど、経営は崩れにくくなります——シミュレーションでイベント日数を0にしてみて、それでも赤字にならないかを確かめるのがおすすめの使い方です。
日販そのものを見積もるときは「客単価 × 提供数」に分解します。ランチなら客単価800〜1,000円 × 提供数50〜70食で4〜6万円、といった具合に、自分のメニューの提供スピード(1時間に何食さばけるか)から逆算すると、地に足のついた数字になります。
費用の分け方:売上に比例するもの・しないもの
売上に比例する費用(変動費)は、食材原価(目安30〜35%)と容器・包材費(目安5〜8%)です。キッチンカーは全品テイクアウトなので、店舗の飲食店と比べて包材の負担が構造的に重いことは見落とされがちです。イベントの歩合制出店料(売上の15%前後が相場)も、売れた分だけ増えるという意味でここに含めて考えます。
売上に関係なくかかる費用(固定費)は、車両のローンやリース、営業許可・各種保険、仕込み場所(許可施設)や駐車場の賃料、通信費など。キッチンカー特有なのは仕込み場所で、自宅キッチンでの仕込みは営業許可の関係で原則できないため、間借りや シェアキッチンの費用を最初から計画に入れておく必要があります。
平日の固定制出店料(1日3,000〜5,000円が相場)は「出た日数ぶんだけかかる」中間的な費用です。このツールでは日数に連動して計算しつつ、損益分岐の計算では固定側として扱う保守的な設計にしています。
モデルケース早見表(月の事業利益の目安)
原価率32%・包材6%・平日出店料4,000円/日・イベント歩合15%・固定費16万円/月という標準設定で、このツールの計算式をそのまま当てはめた3つのモデルケースです。
| ケース | 営業構成 | 月商 | 事業利益 |
|---|---|---|---|
| 慎重 | 平日3万円×12日+イベント6万円×4日 | 60万円 | 約12.8万円 |
| 標準 | 平日4.5万円×12日+イベント10万円×4日 | 94万円 | 約31.5万円 |
| 好調 | 平日5.5万円×14日+イベント12万円×5日 | 137万円 | 約54.3万円 |
慎重ケースの月12.8万円という数字が示すとおり、日販が3万円台にとどまると会社員の給与を下回る月が普通に発生します。逆に標準ケースの年換算は約380万円で、よく語られる「キッチンカーの所得は年300〜500万円が中心」という実感値とも整合します。まずは自分の想定日販がどのケースに近いかを上の計算機で確かめてください。
損益分岐と「イベント依存度」のチェック
損益分岐点は「固定費 ÷(1 − 変動費率)」で求まる、利益がちょうどゼロになる売上高です。ただしキッチンカーは平日とイベントで出店料の形が違うため、このツールでは営業日数の構成を保ったまま「日販が何%まで下がったら赤字になるか」を計算し、その水準の月商を損益分岐として表示しています。
見てほしいのは分岐点そのものより余裕率です。現在の計画が分岐点ぎりぎり(余裕1〜2割)なら、雨天・猛暑・出店枠の抽選落ちといった日常的なブレで簡単に赤字へ転びます。余裕が3割を超えていれば、多少の悪条件でも耐えられる計画と言えます。イベント日数を0にした「最悪の月」シミュレーションとあわせて、2段構えで確認するのが実務的です。
こんな場面で使えます
- A キッチンカー開業を検討中で、「本当に食べていけるのか」を数字で確かめたいとき
- B 創業計画書や融資の相談前に、売上・利益計画のたたき台を作るとき
- C 営業中で、平日とイベントの構成比や出店場所を見直したいとき
- D 週末だけの副業キッチンカーが、どこまで現実的かを試算したいとき
メニュー単位の原価を詰めるならメニュー原価計算ツール、店舗型の損益分岐は損益分岐点計算ツールが使えます。文化祭や学園祭の単発出店なら、仕入れ数まで見積もれる模擬店 原価計算ツールをどうぞ。
よくある質問
- 平日とイベントの日販はどのくらいを見込めばいいですか?
- 立地・メニュー・天候で大きく振れますが、オフィス街の平日ランチを軸にする場合、イベント出店の日販は平日の2〜3倍になりやすい、という関係で考えるのが実務的です。まずは控えめな平日日販でシミュレーションし、イベントを上乗せとして扱うと、天候や抽選落ちでイベントが飛んだ月でも耐えられる計画になります。
- 原価率や包材費はどのくらいで設定すればいいですか?
- 食材原価は売上の30〜35%、容器・カトラリーなどの包材は5〜8%が一般的な目安です。キッチンカーはテイクアウト専門のため、店舗の飲食店より包材の比率が重くなる点に注意してください。メニューごとの正確な原価は、姉妹ツールのメニュー原価計算で品目単位に積み上げられます。
- 損益分岐の月商はどうやって計算していますか?
- 「固定費 ÷(1 − 変動費率)」という損益分岐点の基本式を、平日とイベントで出店料の形が違う営業ミックスに合わせて拡張しています。具体的には、営業日数の構成を保ったまま日販が何%まで下がると利益がゼロになるかを求め、そのときの月商を損益分岐として表示します。あわせて現在の計画が分岐点からどれだけ余裕があるかも示します。
- 計算結果の利益は、そのまま手取りと考えていいですか?
- 表示されるのは、ご自身の働き分(人件費)を差し引く前の事業利益です。個人事業なら、ここから所得税・住民税・国民健康保険・国民年金などが引かれたものが実際の手取りになります。税額は所得や控除で人によって変わるため、このツールでは事業利益までを計算し、税引き前の目安としてお使いいただく設計にしています。
- 入力した売上や経費の数字はどこかに残りますか?
- 残りません。入力した日販や経費は、ページを閉じれば消える一時的な計算材料で、サーバーへの送信は行っていません。開業を検討している段階で、立地案やメニュー案ごとに何度でも試算し直せます。