経糸本数計算ツール
織り幅と筬の羽数・入れ本数を入力するだけで、手織りに必要な経糸の総本数を自動計算します。鯨寸とcmの両単位対応、耳経糸・余裕分の調整、綜絖4枚の倍数チェック付き。
織り幅(仕上がりの幅)
筬密度(おさみつど)
耳経糸・余裕分
計算の内訳
経糸本数とは
経糸(たていと)は織機にかける縦方向の糸で、織物の骨格をなす最も重要な糸です。整経(せいけい)と呼ばれる作業で、必要な本数・長さの経糸を一気に揃えます。本数を間違えると織り幅がずれたり、組織が破綻したりするため、プロジェクトの最初の最も重要な計算項目です。
経糸本数は、「織り幅 × 経糸密度」で求められます。経糸密度は「筬の羽数」と「1目に通す糸の本数(入れ本数)」の掛け算で決まります。例えば30羽(鯨寸あたり30枚の筬羽)の筬に2本ずつ通す(2本入れ)なら、鯨寸あたり60本の密度になります。
本ツールは織り幅と筬密度から、耳経糸・余裕分を加味した必要な総本数を自動算出します。鯨寸とcm両方の単位に対応し、伝統的な手織り教本の表記も現代の物差し表記もそのまま使えます。
筬の羽数表記の読み方
手織りでは筬密度を表す表記が複数あります。覚えておくと教本やキットの説明をすぐに理解できます。
- 「○○羽」の読み方
- 「30羽」「40羽」など、数字単独で書かれている場合は鯨寸(くじらすん・約3.79cm)あたりの羽数を指します。日本の伝統的な手織りで最も一般的な表記。
- 「センチ○○の筬」
- 「センチ5の筬」「10/10」のような表記は、10cmあたり50羽のように10cm基準で表します。卓上織り機(リジッドへドル等)の輸入品でよく使われます。
- 「○○羽 ×× 本入れ」
- 筬目(筬羽の間の隙間)に通す糸の本数を指定します。「30羽2本入れ(丸羽)」は鯨寸あたり60本の経糸密度。「60羽1本入れ」も同じく60本/鯨寸で、密度的には同等です。
鯨寸(くじらすん)とは
鯨寸は和服や織物で古来使われている長さの単位で、1鯨寸 = 約3.79cm(正確には1鯨尺37.879cmの1/10)です。明治期に法定単位がメートル法に統一された後も、織物の世界では伝統的に使われ続けており、現代の手織り教本や講師の口伝でも頻繁に登場します。
| 鯨寸 | cm換算 | 用途の目安 |
|---|---|---|
| 1寸 | 約 3.79cm | 小物・帯飾りの基本単位 |
| 5寸 | 約 19cm | 小型ポーチ・コースター |
| 1尺(10寸) | 約 37.9cm | マフラー幅 |
| 1尺2寸 | 約 45.5cm | ストール幅 |
| 2尺 | 約 75.8cm | 広幅ストール・布巾 |
本ツールでは、織り幅・筬密度の単位を「cm」「鯨寸」のいずれでも入力でき、内部で自動換算して計算します。古典的な教本のレシピをそのまま使う場合は鯨寸を、現代の物差しで測ったサイズを使う場合はcmを選んでください。
綜絖(そうこう)と本数の倍数
綜絖は経糸を上下に分けて開口(緯糸が通る隙間)を作る部品で、織機には複数枚(2枚・4枚・8枚など)セットされています。組織が完全な1リピートで始まり終わるためには、経糸本数を綜絖枚数の倍数にすると見た目が整います。
例えば綜絖4枚の場合、経糸本数を4の倍数(200本・204本・208本…)にすると、1番綜絖から始まり4番綜絖で終わる形になり、左右対称の組織を出しやすくなります。本ツールでは合計本数が4の倍数でない場合、最も近い4の倍数を提案表示します。
2枚綜絖(卓上機・リジッドへドル)の場合は2の倍数、8枚綜絖(足踏み機)の場合は8の倍数にすると同様の利点があります。組織が複雑な場合は、組織のリピート数(例:4本リピートなら4の倍数)に合わせるのが正解です。
よくある質問
- 「30羽の筬」とはどういう意味ですか?
- 「30羽」は鯨寸(くじらすん/約3.79cm)あたりに筬羽が30枚並んでいる筬を指します。1羽に1本ずつ通せば「30羽1本入れ」で1鯨寸に30本、2本ずつ通す「30羽2本入れ(丸羽)」だと1鯨寸に60本の経糸密度になります。
- 鯨寸とcmはどう換算しますか?
- 1鯨寸=約3.79cm(より正確には1鯨尺37.879cmの1/10)です。本ツールでは入力する筬密度の単位を「羽/cm」「羽/10cm」「羽/鯨寸」から選べ、内部で自動的にcm単位に正規化して計算します。手織りの伝統的な書籍は鯨寸表記、現代の物差しはcm表記なので、両方をシームレスに扱えます。
- 耳経糸(みみたていと)は何本入れればよいですか?
- 耳経糸は織端の補強のために左右に追加する糸のことで、片側2〜4本ずつ(合計4〜8本)が一般的です。本ツールではデフォルトで合計4本(左右各2本)に設定しています。耳経糸は本来の経糸より少し太めの糸を使うことも多く、織りの組織と同じ動きをさせる場合と、別組織にする場合があります。
- 綜絖4枚で織る場合、本数は4の倍数にしないといけませんか?
- 厳密には4の倍数でなくても織れますが、組織が完全に1リピートで終わるためには4枚綜絖なら4の倍数、6枚なら6の倍数、8枚なら8の倍数にすると見た目が整います。1番綜絖から始まり最後の綜絖で終わる形になり、左右対称の組織を出しやすくなります。本ツールでは4枚綜絖を想定した4の倍数チェックを表示します。
- 余裕分(バッファ)は何%にすればよいですか?
- 経糸が途中で切れたり、整経時のミスで足りなくなったときの予備として、本数の2〜5%を余裕分として確保するのが一般的です。本ツールではデフォルト2%。初めての糸や扱いにくい素材(細い絹・古い綿など)を使うときは5〜10%の余裕を持たせると安心です。
- 入力したデータは保存されますか?
- いいえ、すべての処理はお使いのブラウザ内で完結するため、入力したデータが外部サーバーに送信・保存されることはありません。